相談

著作権は基本的に登録手続を必要とせずに発生(これを無方式主義と言います。)し、その内容である著作物を複製する権利を独占することができます。著作権は、大きく分けて著作権と著作隣接権があり、さらに著作権は著作者人格権と財産権としての著作権に分かれ、著作隣接権(伝達者の権利)として種々の権利が存在します。無方式主義を採用することから、著作権については発生、消滅、利用、権利行使、移転などについて種々のルールがあり、曖昧にしておくと後で問題を生ずることもあります。有明国際特許事務所では、著作権についての契約を検討している方、あるいは著作権の対象か否かも分からないが先ず相談したい方などの相談を随時受付ております。ご相談のご予約を電話03-5530-5011若しくは メールでお申し付け下さい。平日、午前10時00分から17時まででご相談を受け付けています。もしご都合で、土日がご希望の場合は、日程を調整して受け付ける用意もございますので、遠慮せずにお申し付け下さい。

著作権の登録制度

登録がなくても発生するのが著作権であり、登録自体は権利を発生させるものではありませんが、推定を与えるものであったり、第三者対抗要件となっていて、例えば契約で著作権の譲渡があるときに第三者への二重譲渡を防ぐようにも機能します。

登録の種類 登録申請者 登録の効果
実名の登録
[法第75条]
著作者又は遺言で指定された者  登録を受けた者が当該著作物の著作者と推定されます。
第一発行年月日等の登録[法第76条]  著作者又は無名又は変名の著作物の発行者 反証がない限り、登録されている日に当該著作物が最初の発行又は公表がされたものと推定されます。
創作年月日の登録
[法第76条の2]
著作者 反証がない限り、登録されている日に当該プログラムの著作物が創作されたものと推定されます。
著作権・著作隣接権の移転等の登録
[法第77条]
登録権利者及び登録義務者 権利の変動に関して、登録により、第三者に対抗する事が出来ます。権利の変動とは、著作権・著作隣接権の移転又は処分の制限、信託の設定、質権の設定、移転、変更若しくは消滅又は処分の制限などの事項です。
出版権の設定等の登録[法第88条] 登録権利者及び登録義務者 権利の変動に関して、登録により、第三者に対抗する事が出来ます。権利の変動とは出版権の移転又は処分の制限、信託の設定、質権の設定、移転、変更若しくは消滅又は処分の制限などの事項です。

著作権の移転等の登録の申請には、著作権登録申請書、著作物の明細書、譲渡証書/質権設定証書/契約書の写し、委任状などが必要となります。ソフトウエアの著作物のうち、創作年月日の登録が可能なのはプログラムの著作物で、データベースの著作物は創作年月日の登録はできません。プログラムの著作物についての創作年月日の登録は創作後6ヶ月以内に申請する必要があります。処分の制限とは執行保全のための仮差押、仮処分などを言及しています。

著作権登録は発明やアイデアの保護には用いることができないものです。ご注意ください。
相続などの一般承継の場合は、著作権・著作隣接権の移転等の登録は必要なく、第三者に対抗できます。例えば、父親の所有する著作権を遺族の方が引き継ぎする場合には、登録は不要です。ただし、その著作権を他人に有償で譲渡する場合には、著作権の登録をその第三者から求められることもあると思われます。

ソフトウエアと著作権

一般的にコンピュータプログラムは創作性を含んだ著作物として保護されます。ただし、プログラム言語、規約、解法は保護対象ではありません。さらに、コンピュータプログラムは、必要な改変などができ、同一性保持権の及ばない保護対象となっています。また、所有者はバックアップコピーなどの複製物を保持することが認められています。特許と著作権の関係については、ソフトウエアのアイデアに関する部分は特許で保護することも可能です。概説的には、フローチャートの段階のコンセプトは特許で保護し、フローチャートから1つ進めてコード化されたところで、プログラムコード自体は著作権で保護されることになります。

法人著作

法人著作が成立するためには、(1)著作物の創作が法人その他の使用者(法人等)の発意に基づいていること、(2)法人等の業務に従事する者が創作したものであること、(3)職務上著作物が創作されたものであること、(4)法人等が自己の名義の下に公表するものであること、(5)著作物の創作に際して、契約や勤務規則その他に別段の定めがないことの全てを満たすことが必要とされています。法人等の業務に従事する者かどうかは会社の指揮監督下で労務を提供し、その対価として金銭の支払を受けていたかどうかによります。また、法人著作のうちのコンピュータプログラムは(4)の公表名義の要件がなくとも、法人等の著作となります。

キャラクターと著作権

キャラクターは、著作権と共に商標権や意匠権で保護することが可能で、さらには不正競争防止法による保護も可能です。実在人物の場合には、肖像権も絡んでいます。商品やサービスへの利用のために、これらの知的財産を総括した商品化権を設定し、ライセンス契約による使用許諾を図ることが行われています。キャラクターは、商品のパッケージに合わせて多少改変することが行われますので、そのような翻訳権や翻案権、さらには二次的著作物の利用などについても、取り決めておくことが賢明です。最近では、デジタル技術の発展に伴い、各種媒体による複製なども容易に行うことが可能で、公衆送信権なる用語も登場し、インターネットやその他の通信回線による利用も考慮して契約を結ぶ必要があるものと考えます。

有明国際特許事務所